昭和歌謡文化の輝きを後世に繋ぐことが、本会の目的です

第12回研究発表会(2017/11/11)

第十二回 昭和歌謡文化継承委員会 研究発表会

秋深し CMソングの 昭和かな

 

◆日時

2017.11.11 SAT  OPEN 18:00/START 18:30

 

◆会場

『アイオーブン』

中野区新井1-36-3

03-3389-7668

 

◆出演者

仲村瞳(ボーカル)、タッキー(ボーカル)、サリー久保田(ベース)、国吉静治(フルート)、中森泰弘(ギター)、中山努(キーボード)、笹井享介(ドラムス)、松本健一(サックス)、井谷享志(パーカッション)、東陽片岡(総合司会)、海道はじめ(特別ゲスト)

◆参加費

お一人様 ¥10,000 飲み放題&軽食(カレー)付き

 

■セットリスト&曲解説■

 

 

『ルビーの指環』

昭和56年2月発売  歌:寺尾聰

作詞:松本隆  作曲:寺尾聰

編曲:井上鑑 レーベル:東芝EMI

寺尾聰が33歳の時に発表した6枚目のシングル曲。昭和56年にヨコハマタイヤ(横浜ゴム)「ASPEC」、25年後の平成18年にキリン「ラガー」のCMソングに起用されている。「ザ・ベストテン」(TBS)で、昭和56年4月9日から12週連続1位の新記録を樹立。記念として赤いソフファー“ルビーシート”が番組セットに設置された。その記録は番組終了まで破られることはなく、シートも最後まで置かれていた。この曲の大ヒットにより、前年の昭和55年発表の『SHADOW CITY』、『出航 SASURAI』もランクイン。同時に3曲ベストテン入りという快挙を達成した。同年の第23回日本レコード大賞では、大賞のほか、作詞賞、作曲賞、編曲賞を受賞した空前の大ヒット曲である。

 

『ふりむかないで』

昭和45年発表/昭和47年4月発売  歌:‪ハニー・ナイツ

作詞:池田友彦 作曲:小林亜星

編曲:筒井広志   レーベル:ユニオンレコード

ライオン油脂(現在のライオン)「エメロンクリームリンス」のCMソングとして、広く知られる曲。昭和45年11月から7年間テレビCMが放映され、当時を知る人であれば必ず耳にした事があるほど認知度は高い。日本全国の都市や名所が歌詞に登場し、シングル盤では6番6都市(東京・札幌・仙台・名古屋・大阪・博多)まで収録されている。アルバムLP盤では更に6番増えて12番まであるが、実際には72番まで作られている。「シルバー仮面」や「ミラーマン」などの特撮、「サスケ」や「妖怪人間ベム」などのアニメ主題歌・挿入歌を数多く歌ったハニー・ナイツ。代表作であるこの曲は、60万枚以上というレコード売上数をはるかに超える人々の記憶に刻まれている。

 

 

『ケンとメリー~愛と風のように~』

昭和47年11月発売 歌:BUZZ

作詞:山中弘光 補作詞:高橋信之

作曲・編曲:高橋信之

レーベル: ロンドンレコード

フォークグループ、BUZZのデビュー曲。日産スカイラインのCMソングに使用される。「ケンとメリーのスカイライン」のキャッチコピーで登場した4代目スカイラインは、累計販売台数64万台(スカイラインの販売台数としては歴代最高)を記録し、一世を風靡する。ケンとメリーとは、CMに登場するカップルの役名。4代目スカイラインのCM撮影に使われた北海道美瑛町のポプラの大木は「ケンとメリーの木」と呼ばれ、現在でも観光スポットとして知られている。『出没!アド街ック天国』の北海道美瑛の回(平成26年8月2日放送)では5位で登場。平成13年に公開された映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ大人帝国の逆襲』の挿入歌にも使われた。この曲に影響を受けた福山雅治が、『愛は風のように』という曲を作詞・作曲している。

 

『はぐれそうな天使』

昭和61年3月発売    歌:‪岡村孝子

作詞:‪来生えつこ 曲:来生たかお

編曲:‪船山基紀 レーベル:ファンハウス

昭和60年に発表された、来生たかおの同名曲のカバーで、‪岡村孝子の3枚目のシングル曲。‪岡村孝子は、加藤晴子とのデュオ「あみん」を活動休止して昭和60年にソロデビュー。シンガーソングライターとして活動する中で、自身が製作に関わっていない唯一の楽曲。来生のオリジナルに続き、本田技研工業「トゥデイ」(出演:‪今井美樹)のCMソングに起用されている。編曲は、フェアライト社のシンセサイザーを早くから使用したことで知られる‪船山基紀。中島みゆきに始まり、‪沢田研二のレコード大賞受賞曲『勝手にしやがれ』等数多くの歌手の編曲を担当している。‪岡村孝子が「あみん」からソロ歌手として認識された出世作。透き通った素直な歌声と曲がよく合っており、昭和60年の名曲の一つと言える。

 

 

『バージンブルー』

昭和59年7月発売 歌:SALLY

作詞:さがらよしあき 作曲:鈴木キサブロー

編曲:鈴木キサブロー・大島みちる

レーベル:フィリップス

法政一校の高校生達が結成したロックバンドSALLYのデビュー曲。全国学生対抗ロックコンテストに出場したSALLYを、同番組の司会を務めていた山田パンダがスカウトし、山田パンダカンパニーの所属アーティストとなった。ディレクターは元ガロの大野真澄であった。同曲は「キリンレモン」のコマーシャルソングにも採用され、オリコン最高位 6 位を記録。第26回日本レコード大賞新人賞を受賞(最優秀新人賞は岡田有希子)。リードボーカルの加藤喜一が、スケジュール帳やファンクラブの会報などの情報から、当時を振り返り、軽妙な文章で事細かに綴ったブログ 「A! Blog of Sally」は、 80年代半ばの音楽業界を知る上でも価値のある資料である。現在、加藤喜一はソロで、リーダーの杉山洋介(ギター、ボーカル)はユニット「paris match」で活動中。

 

『恋の予感』

昭和59年10月発売    歌:安全地帯

作詞:井上陽水    作曲:玉置浩二

編曲:安全地帯/星勝

レーベル:Kitty Records

安全地帯の7枚目のシングル曲。JAL「ハワイツアー キャンペーン’84」のCMソングにも起用されている。デビュー前にバックバンドとして‪安全地帯を招聘した井上陽水が作詞。陽水作詞のシングル曲は、昭和59年4月発売の『真夜中すぎの恋』(5枚目)、昭和61年9月発売の『夏の終わりのハーモニー』(12枚目)の3曲のみである。弦楽器を主体に取り入れたストリングスが特徴的な編曲を行ったのが元モップスのギタリスト・星勝。陽水と安全地帯を引き合わせるきっかけを作った人物で、デビュー前から支えとなり、楽曲全般のアレンジを手掛けている。安全地帯が昭和58年11月発売の『ワインレッドの心』のメジャーの仲間入りをした後、ヒットメーカーとしての地位を築く礎となった曲といえる。

 

『ミスターサマータイム』

昭和53年3月 歌:サーカス

作詞 :Pierre Delanoe 作曲 :Michel Fugain

日本語詞 : 竜真知子 編曲 : 前田憲男

レーベル:アルファレコード

フランスのシンガーソングライター、ミッシェル・フュガンの作曲の「Une Belle Histoire」(美しい話)の日本語カバー曲。 100 万枚を突破するセールスを記録、サーカスの最大のヒット曲となった。オリコンでは1位を獲得し、同曲で、『第29回NHK紅白歌合戦』に初出場した。「待ちぶせた誘惑」、「ひとときのあやまち」、「誘惑の熱い砂」など、畳み掛けてくる背徳ワードがひと夏の危険な恋を感じさせる。原詞の方も、ある夏の日、ハイウェイですれ違った若い男女のいきずりの情事を描いている。サーカスは、3人姉弟と従姉からなる 4 人組のコーラスグループ。コーラスワークと個々の歌唱力とコーラスワークはハイレベルで、日本におけるアカペラグループやコーラスグループの先駆的存在である。

 

『サクセス』

昭和52年3月発売 歌:ダウン・タウン・ブギウギ・バンド

作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童 編曲:千野秀一

レーベル:東芝EMI

ダウン・タウン・ブギウギ・バンド 9枚目のシングル曲。昭和52年の資生堂CMソング(資生堂アクエア)に起用され、春から夏にかけてヒットする。当時、資生堂のCM音楽をプロデュースしていたのは、“日本初のCMディレクター”と呼ばれる大森昭男であった。大森昭男は「三ツ矢サイダー」のCMに大瀧詠一を起用するなど、無名だったシンガーソングライターに次々に作曲を依頼。山下達郎、坂本龍一、鈴木慶一、大貫妙子、矢野顕子などの才能もいち早く見抜き、世に広めた。多くのヒット曲を誕生させ、“CMソングはヒットする”という道筋を作った立役者である。編曲を手掛けた千野秀一は、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの後期メンバーでキーボードを担当していた人物である。

 

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